技・理・心を学ぶ、点心の原点へ。
飲茶点心の道とは、終着点のない探求の道程です。 四十年という歳月をかけてその終着点に近づいた今、私はようやくその本質に気付きました。
ものづくりの根底には、必ず“理(ことわり)”があります。 その理を熟慮し、素材と向き合い、技術を積み重ね、心を込める。 その道程の先に、ようやく“本物”が生まれます。 だからこそ、この道を絶やしてはならないのです。
点心とは、単なる料理ではありません。 感謝と祈りの心を“点ける”行為です。 平和への祈り、相手を思う優しさ、慈しむ心。 そのすべてが形となり、味となり、触感となって現れます。
私は四十年以上かけて、 理論、素材の扱い、技術、ノウハウのすべてを探求してきました。 そして今、そのすべてを惜しみなく開示し、伝え、継承したいと願っています。
その想いから生まれたのが、 点心マイスター協会(てんしんきょうしつ)です。
ここは、趣味の教室ではありません。 本物の点心職人を育てるための、プロ養成の場です。
論理を理解し、技術を磨き、 素材と対話しながら作品を生み出す喜びを知る。
その積み重ねの先に、 “自分自身を表現する点心”が生まれます。
完成という終着点はありません。 だからこそ、今日も学び、気付き、祈り、作り続けるのです。
本物を学び、本物を継承し、 次の世代へと点心文化を繋いでいく仲間を、心よりお待ちしています。

点心マイスター協会について
■ 協会設立の想い
点心マイスター協会は、 “本物の点心文化を次世代へ継承する” という強い使命のもとに設立されました。
点心は単なる料理ではなく、 技(わざ)・理(ことわり)・心(こころ) が一体となって初めて完成する総合芸術です。
四十年以上にわたり点心を探求してきた経験から、 この文化を守り、伝え、未来へ繋ぐためには、 プロとしての覚悟と学びの場が必要だ と痛感し、この協会が生まれました。
■ 協会の理念
- 技術の継承 点心の基礎から高度な技術まで、体系的に学べる環境を整えています。
- 理論の理解 素材の性質、調理の原理、点心の構造を“理論”として理解し、応用できる職人を育てます。
- 心の育成 点心は祈りと感謝の文化。 作り手の心が作品に宿るという精神性を大切にします。
■ 協会の特徴
● プロ養成に特化したカリキュラム
趣味ではなく、職人として生きるための技術と姿勢を徹底的に学びます。
● 理論 × 実技の両輪で学ぶ
「なぜそうなるのか」を理解しながら技術を磨くことで、 応用力と創造力を持つ職人へと成長します。
● 少人数制・対話型の指導
素材と向き合い、作品と対話し、 自分自身の点心を生み出すための“気付き”を重視します。
■ 点心教室でお伝えしている「感謝と祈り」の原点となった出来事
私が点心づくりを続ける中で、「点心とは、感謝と祈りを形にする行為である」と気付くきっかけとなった出来事があります。
かつて、名鉄富山ホテルの料理長より、当時皇太子であられた陛下にお出しする点心のご依頼をいただいたことがありました。内容は、揚げ物のみ数種類を各25個というものでした。数量や条件から採算は取れないものでしたが、名誉あるご依頼であることから、対価を辞退し、点心のみをお届けしました。
その後、同様のご依頼が毎年続き、揚げ物のみという条件に苦心しながらも、誠心誠意お作りしてまいりました。
ある年、妃殿下もご同行されると伺い、当時はまだご懐妊が叶わず、多くの方が静かに見守っていた時期でした。私は、ズワイ蟹のアーモンド揚げの中に、枸杞を細かく刻んで加え、「お健やかであられますように」との願いを込めてお作りし、お届けいたしました。
翌年、愛子さまがご誕生されたと報じられた際には、ただ一職人として、心より嬉しく感じたことを覚えております。もちろん私の点心とは関係のない偶然ではありますが、祈りを込めて作った料理が、誰かの人生の節目と静かに重なることがある──その経験が、現在の点心教室でお伝えしている「感謝と祈り」という理念につながっています。
点心は、単なる料理ではなく、 “心を点ける”という行為そのもの。 その想いを、教室を通じて皆さまにお伝えできればと願っています。
なお、このご依頼はその年を最後に途絶えることとなりました。 当時、妃殿下のご懐妊・ご出産が続き、毎年行われていた黒部立山への登山が中止となったこと、そして定宿であった名鉄富山ホテルが閉館したことが理由です。
名鉄富山ホテルは、昭和天皇や香淳皇后もご利用になった歴史あるホテルでしたが、残念ながら閉館となりました。その後、2001年に富山全日空ホテルが開業し、そちらが利用されるようになったと聞いております。
この一連の出来事は、点心づくりが人の人生の節目と静かに交差することがある── そのことを改めて感じるきっかけとなりました。
■ 目指す未来
点心文化は、平和と祈りの文化です。 その精神を次の世代へ繋ぐために、 私たちは“本物の職人”を育て続けます。
技・理・心を備えた点心職人が、 日本から世界へ羽ばたく未来を創る。 それが点心マイスター協会の願いです。